大会長挨拶
第28回日本口腔機能水学会学術大会 大会長 より
今大会は、日本機能水学会との共同開催という特別な意義を持つ学術大会として企画されました。その経緯について触れておきたいと思います。口腔機能水学会は、これまで口腔領域に限定して活動展開してまいりましたが、今後を展望しますと専門領域の枠を超えて関連領域との交流を行って、ウイルスや細菌による感染症対策等に関する学術的知識を広め、より広範な視点からの機能水応用が必要と私は感じておりました。そうした中、今年度の日本機能水学会の学術大会が、国立感染症研究所を今年定年退官されて(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター(理事長:吉川敏一先生)において新たな活動を始められた高木弘隆先生を大会長として、京都鉄道博物館において開催されることになりました。
高木先生は、「水滴石穿 ― たしかな未来のためのわずかな一歩 ―」を大会テーマとして掲げられましたが、この言葉に私も大いに共感し、両学会の学術大会の共同開催をお願いしたところ、ご理解が得られ実現の運びとなった次第です。ルイ・パストゥール医学研究センターの地元で伝統を重んじながら革新を続ける古都京都で、新たな旅立ちに相応しい日本電気鉄道発祥の地である京都 ・鉄道博物館での共同開催は大変意義深いと感じております。
ご承知の通り、浅野正岳先生(日本大学教授)が今年1月に急逝されたため、僭越ながら私が日本口腔機能水学会の会長に急遽就任いたしました。その責任の重さを痛感しております。我々が追求している口腔機能水に関する研究は、今後ますます重要さを増していくと信じております。私たちの活動を通じて、機能水の研究を深化させ、さまざまな研究者と協力 ・交流し、新たな知見を共有していく所存です。その一環として、日本機能水学会との共催が実現することになった今年度の学術大会は、今後の口腔機能水の研究に対するさらなる興味と関心を引き出し、会員の皆様が共に新しい発見をする契機ともなることを心より願っております。
また、この場を借りて、本学会を創設された故芝燁彦先生のご功績、歴代会長(佐藤勉先生、西田哲也先生、岩本宏先生)のご実績や役員の先生方や会員の方々の末永いご尽力、そして特に急逝された浅野正岳先生の情熱をしっかりと胸に刻むとともに先生方の精神を引き継いでいきたいと考えております。今回のテーマ水滴石穿(中国の古典「菜根譚」由来)は現在停滞する日本において目指すべきことであり、我々が(日本機能水学会、日本口腔機能水学会)共に一歩一歩精進していくための基本であると考えます。
最後に、本学会の活動を支えているすべての方々に感謝申し上げます。私たちの活動は、会員一人一人の努力の結晶です。これからも共に手を携えて機能水や口腔機能水に関する研究を深化させ、学会を発展させることを祈念いたします。
日本機能水学会第24回学術大会 大会長 より
この度は第24回日本機能水学会学術大会(於 京都鉄道博物館)の大会長を拝命し、恐縮ながらご挨拶させていただきます。前職の国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所を退職し、吉川先生のお声がけで、4月より京都にて2ndキャリアを始めることとなりました。職場機能の移転と移住で、しばらく忙しい日々が続いていましたが、ようやく落ち着いて、当学会や機能水との関わりを振り返りましたので、しばらくお付き合いを。
思い返せば機能水との出会いは最初の転職を考えていた1994年頃、マスコミを通じて「超酸化水」という名のすごい水がある、と知ったことでした。当時微生物の世界からは離れていましたが、殺菌効果やケーススタディを見るたびに興味を惹かれました。この水と関わりたいと思い、この水の生成装置の製造会社に入社したのですが、わずか4 か月でご縁が切れることに。数か月を経て、アマノ株式会社が当該機器権利の取得と経験スタッフ召集ということで、再びご縁が復活した次第です。ここからしばし研究員兼営業支援として、現場回りをしながらこの水(超酸化水→強電解水)の活路探しをすることになり、私にとってまさに電解水黎明期となります。もちろん良い活用法を得て営業支援が成功することもあれば、失敗することもあり、まさしく水商売とはこのことか、と思うことも度々でした。少し時間をおいて研究にも関われるようになり、食品衛生対応を中心とした仕事を始めた矢先の1996年7月に堺市でEHEC-O157による7000名超の集団食中毒でした。火中の栗を拾うがごとく、この件と関わることとなり、以前より懸案であった食品衛生法の壁と渡り合いながら、強電解水の活用について専門家とも激論を交わしていました。
こうした経過の中、国立感染症研究所に入所することとなり、数年のブランクを経て本学会と再び関わることになります。その後も感染症の大きな流行や集団発生が起こるたび、電解水も出たり引っ込んだり、これまでとあまり変わりなく「3歩進んで1歩下がるときもあれば、4歩下がる時もある」感じで25年と少し、お付き合いすることになります。未だ黎明期なのか、とも思いますが、背伸びをすれば「怪しい水」と叩かれかねない状況が継続していることは否めません。それは直近で関わった新型コロナウイルスの消毒に関するタスクフォースでも強く感じとれました。
私が足掛け10年がかりでチマチマ続けていた研究がようやく「世界初」として、世に出た経緯と非常に似ています。小さな積み重ねをひとつひとつクリアすること、そのための手間は惜しまないこと、1つの失敗から10も20も次につながるキッカケを拾うことを続けてきての「今」であり、また新たな知見が見えてきての「次」なのです。機能水も然り、機器が同じであったとしても、使う場所やヒトによって様々なシチュエーションが展開し、手間であってもひとつひとつに対応することが次につながり、社会的信頼を少しずつ得られてゆくのではないでしょうか?今回のテーマ『水滴石穿』はそんな思いからの願い、と感じていただければ幸いです。
そして今回、日本口腔機能水学会と初の共同開催となりました。
テーマに強くご賛同いただきました井上一彦大会⾧と多様な分野からご参加の皆さんと共に「小さいが大きな一歩」とならんことを願っています。
概要
※プログラム等は詳細が決まり次第、順次掲載していきます。
テーマ
未定
日程
2026年11月7日(土)・11月8日(日)
会場
京都鉄道博物館
〒600-8835
京都府京都市下京区観喜寺町
大会長
第28回日本口腔機能水学会学術大会 大会長
井上一彦先生(日本口腔機能水学会長、公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター)
日本機能水学会第24回学術大会 大会長
高木弘隆先生(公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター)
